「楽天銀行、作った方がいいのかな」。楽天経済圏や楽天証券を使っている人なら、一度は考えたことがあるはずです。
この記事では、楽天銀行の特徴である「ハッピープログラム」と「マネーブリッジ」の仕組みを公式情報で確認したうえで、筆者が実際にどう使っているか、どんな人に向くと感じているかを正直に書きます。
筆者自身は、メインバンクに住信SBIネット銀行(2026年8月に「ドコモSMTBネット銀行」へ社名変更。この記事では使い慣れた旧名で書きます)を使い、楽天銀行はサブ口座として持っています。ただ、これは筆者の使い方がそうだというだけで、楽天銀行はメインバンクとしても使える銀行だと考えています。住信SBIネット銀行については住信SBIネット銀行のメリット7選で以前まとめているので、今回は楽天銀行側の記録です。
結論:メインバンクとしても使える。特に合うのは楽天経済圏の人
先に結論を書きます。筆者の実感として、楽天銀行が向くのは次のような人です。
- 楽天経済圏(楽天カード・楽天証券・楽天市場など)をすでに使っている人
- 楽天証券の口座を持っている、または持つ予定の人
- まだネットバンクを1つも持っていない人
給与の受取や口座振替をまとめてメインバンクとして使えば、後で説明するハッピープログラムのステージが上がりやすく、ATM・振込の無料回数も受けやすくなります。仕組みを見る限り、サブよりもメインで使う人のほうが恩恵を受けやすい銀行です。
一方で、ネットバンクをすでに1つ持っていて特に不便を感じていない人が、無理に口座を追加する必要は薄いと筆者は考えています。この理由は後半で書きます。
数字はすべて執筆時点(2026年9月)に公式サイトで確認したものです。金利・条件は改定されることがあるため、申し込みの際は公式サイトで最新情報を確認してください。
ハッピープログラムとは|ステージで無料回数とポイント倍率が変わる
「ハッピープログラム」は楽天銀行の会員優待の仕組みです。資産残高や取引件数に応じてステージが決まり、ステージごとにATM手数料・他行宛振込手数料の無料回数と、楽天ポイントの獲得倍率が変わります(楽天銀行「ハッピープログラム」)。
利用にはエントリーが必要
ハッピープログラムは、口座を作っただけでは始まりません。楽天会員の情報と楽天銀行の口座を結びつける「楽天会員リンク登録」でエントリーする必要があります。公式によれば、このリンク登録が解除されるとエントリーしていない状態に戻り、特典は受けられなくなります。
ステージ別の無料回数とポイント倍率
| ステージ | 条件 | ATM無料 | 他行振込無料 | ポイント倍率 |
|---|---|---|---|---|
| ベーシック | エントリーのみ | 0回/月 | 0回/月 | 1倍 |
| アドバンスト | 残高10万円以上 または 取引5件以上 | 1回/月 | 1回/月 | 1倍 |
| プレミアム | 残高50万円以上 または 取引10件以上 | 2回/月 | 2回/月 | 2倍 |
| VIP | 残高100万円以上 または 取引20件以上 | 5回/月 | 3回/月 | 3倍 |
| スーパーVIP | 残高300万円以上 または 取引30件以上 | 7回/月 | 3回/月 | 3倍 |
条件は「残高」と「取引件数」のどちらか一方を満たせばよい仕組みです。残高が少なくても取引件数でステージを上げられますし、取引が少なくても残高で上げられます。
ステージの決まり方
公式によれば、ステージは次のタイミングで決まります。
- 残高は毎月25日終了時点、取引件数は前月26日〜当月25日の実績で判定される
- 判定結果は翌月1日から適用される
- エントリーした月はベーシックが適用される
つまり、エントリーしてすぐに無料回数がもらえるわけではありません。ステージは毎月判定し直されるため、残高や取引が減ると翌月には下がります。
取引件数に数えられるもの
公式ページでは、取引件数の対象として次のような取引が挙げられています。
- 他行口座からの振込の受取
- 給与・賞与の受取、年金の受取
- ATMでの入出金
- 口座振替(自動引落)
- 楽天Edyへのチャージ など
給与の受取や口座振替が対象に入っているので、メインバンクとして日常の入出金を集めるほど件数は増えます。ただし公式には「取引件数のカウントは各サービスによって条件が異なる」との注記があります。たとえば給与の受取は「給与振込」として振り込まれたものだけが対象です。自分の使い方が対象になるかは、公式の対象取引一覧で確認してください。
楽天ポイントで振込手数料を払える
公式によれば、楽天グループで貯めた楽天ポイントを1ポイント=1円相当として振込手数料の支払いに使えます。これは全ステージで利用できるため、無料回数が0回のベーシックでも、ポイントがあれば現金の持ち出しなしで振り込めます。
細かい注意点
無料回数は毎月1日に進呈されます。公式には、毎月1日にATMや振込を使う場合は、無料回数が進呈済みであることを確認してから使うようにとの注記があります。
マネーブリッジとは|楽天証券と口座をつなぐ無料の連携サービス
「マネーブリッジ」は、楽天銀行と楽天証券の口座を連携させるサービスです。楽天証券公式によれば、申込みは無料で、次の6つの機能の総称とされています(楽天証券「マネーブリッジ」)。
| 機能 | 内容 |
|---|---|
| 優遇金利 | 楽天銀行の普通預金に優遇金利が適用される |
| 自動入出金(スイープ) | 銀行にログインせずに、証券口座との資金移動が自動で行われる。手数料無料 |
| ハッピープログラム | 楽天証券での取引に応じて、楽天ポイントなどが付与される |
| 残高表示サービス | 楽天銀行の普通預金残高を楽天証券のサイトで確認できる |
| 投資あんしんサービス | 証券口座の預り金が不足したとき、銀行口座から自動で振り替えられる |
| らくらく入出金 | 手数料無料で、原則24時間リアルタイムに資金を移動できる |
優遇金利:1,000万円以下の部分は年0.48%
マネーブリッジを設定すると、楽天銀行の普通預金に優遇金利が適用されます。公式によれば、金利は次の通りです。
| 普通預金残高 | 金利 | 税引後 |
|---|---|---|
| 1,000万円以下の部分 | 年0.48% | 年0.382% |
| 1,000万円を超えた部分 | 年0.42% | 年0.334% |
適用のタイミングには決まりがあります。前月末終了時点でマネーブリッジの設定が完了している人に、当月1か月間の優遇金利が適用される仕組みです。設定した当日から金利が上がるわけではありません。
また、普通預金の金利は変動金利で、今後変更される可能性があります。一部の提携支店は優遇金利の対象外とされており、マネーブリッジ自体も個人のみが対象です(楽天銀行「普通預金(マネーブリッジ利用者)」商品詳細説明書)。
自動入出金(スイープ):証券口座に入金する手間がなくなる
自動入出金を設定すると、楽天証券で買い注文を出したときに、不足する資金が楽天銀行の預金残高から自動で入金されます。反対に、証券口座にある資金は毎営業日の夜間に楽天銀行へ自動で出金されます(楽天証券「自動入出金(スイープ)」)。
資金がふだん銀行側に置かれるため、自分で移す手間なく、普通預金の優遇金利が適用される状態になります。入出金の手数料は無料です。
筆者も自動入出金を使っています。楽天証券で買い付けるときに、資金を移す手間がないのが楽だと感じています。設定は口座開設のときに案内された記憶があり、最初から設定していたと思います。細かい手順は覚えていませんが、難しいと感じた所は特にありませんでした。
申込みの流れ
公式によれば、手順は2ステップです。
- 楽天証券と楽天銀行の両方の口座を開設する
- マネーブリッジを申し込む(楽天銀行へのログインが必要)
営業日の17時までの申込みは原則として当日19時ごろに完了し、17時以降や土日祝日の申込みは翌営業日の扱いになります。
筆者の使い方|メインは住信SBI、サブは楽天銀行
ここからは筆者自身の使い方の記録です。筆者は現在、3つの銀行を使い分けています。
- 住信SBIネット銀行:メインバンク
- 楽天銀行:サブ(楽天証券の入金経路)
- ゆうちょ銀行
楽天銀行は楽天証券の入金経路として使っており、マネーブリッジも設定済みです。実際に適用されている優遇金利の実測値(何%が反映されているか)までは手元で確認していないため、ここでは書きません。
サブ口座なので利用頻度は多くありません。動きがあるのは月に1〜2回程度で、現在は楽天カードの引き落としだけです。
筆者がよいと感じている点は2つです。楽天証券との連携がスムーズなこと、そしてATM・振込の無料回数がステージに応じて数回もらえる仕組みがあることです。
無料回数については、以前の利用経験をもとに書いています。筆者は以前、楽天ポイントのポイ活をしていて、楽天銀行を楽天ペイと連携させて使っていました。日常の買い物のうち、楽天ポイントが付くお店では楽天ペイで支払い、それ以外のお店では他の支払い方法を使う、という使い分けです。
そのころも楽天銀行はサブ口座でしたが、ステージはアドバンストでした。ステージを上げようと特に意識していたわけではありません。残高が一定以上になるようにはしていました。無料回数がよいと感じたのは、そのころの経験からです。
ただし、正直に記録しておきます。ポイ活はその後やめました。理由は、いろいろなポイントを追うのが面倒になったからです。やめたことに後悔はありません。
ポイ活をしなくなってから取引の頻度が減り、筆者の現在のステージはベーシックになっていました。上の表の通り、ベーシックの無料回数は0回です。ただ、現在の動きは楽天カードの引き落としだけなので、手数料は払っていません。
ステージは毎月判定し直されるため、使い方が変わると下がります。ATMや振込をよく使う人が無料回数を目当てにするなら、残高や取引件数の条件を満たし続けられるかを先に確認しておくのがよいと思います。
貯まった楽天ポイントについては、特別な工夫はしていません。1,000ポイント貯まったら投資信託を買う、という使い方をしています。
比較として正直に書いておくと、使いやすさは個人的には住信SBIネット銀行のほうが上だと感じています。特に、目的ごとにお金を分けて置いておける「目的別口座」が優秀です。
こうした口座・カードの分類は、マネーフォワードME(MFME)上で「家計」「投資」「副業」のグループに分けて管理しています。MFMEの連携・グループ運用の詳細はマネーフォワードME無料版の限界は4件に書きました。
使い方の一例:副業用の口座として分けている
筆者の楽天銀行の使い道は、楽天証券の入金経路だけではありません。副業用の口座としても使っています。
楽天銀行自体は4年ほど前から持っていました(開設した正確な時期は筆者自身も覚えていません)。その後、リベ大の動画を見て口座整理のために一度解約し、2年前に副業用の口座として再開設しています。
一度解約した銀行をもう一度選んだ理由は、基本的なレベルが高く、使いやすかったからです。再開設のときに他の銀行と比較はしていません。
正直に書いておくと、楽天銀行への副業収入の入金はまだありません。一方で、副業にかかる経費の支払いはこの口座から行っています。具体的には、経費を楽天カードで支払い、その引き落とし口座を楽天銀行にしています。住信SBIネット銀行(家計)と分けたことで、副業の入出金が家計の履歴に混ざらなくなった点は、分けてよかったと感じている部分です。
注意点・合わない人
ここまで良い点を中心に書きましたが、注意点も書いておきます。
1つ目は、ハッピープログラムの恩恵は使い方次第だという点です。筆者のように取引が減ればベーシックに戻り、無料回数は0回になります。サブ口座として少しだけ使う場合は、無料回数を前提にしないほうが安全です。
2つ目は、口座を増やしすぎないことです。筆者の正直な意見として、サブ口座が必要になる人はそれほど多くありません。普通の人であれば、ネットバンクは1つで十分だと思います。口座が増えるほど、管理する手間(残高確認・ログイン情報の管理・使い分けのルール決め)も増えていきます。
まだネットバンクを持っていない人が、その1つとして楽天銀行を選ぶのはよい選択肢だと思います。すでに別のネットバンクをメインで使っていて不便がない人は、無理に追加する理由は薄いでしょう。
また、個人口座を副業の入出金に使う場合は、口座の用途に関する規約を各銀行の公式サイトで確認しておく必要があります。
これから口座を作る人へ
最後に、筆者の経験から伝えたいことを書いておきます。
楽天経済圏を使っている人は、すでに楽天銀行を持っていることが多いと思います。その場合は、楽天証券の口座も開設して、投資を始めてみてほしいというのが筆者の考えです。その際は、この記事で説明したマネーブリッジが使えます。どの商品を買うかは、ご自身で調べて判断してください。
まだネットバンクを持っていない人にとっては、最初に持って使ってみる口座として優秀だと思います。ATMや振込の手数料が気になっている人は、検討してみてください。
口座開設の流れ
楽天銀行の口座開設は、公式サイトによると次の3ステップで進みます(楽天銀行「口座開設の流れ」)。
- 必要事項の入力:氏名・住所などの顧客情報を入力し、キャッシュカードの種類と本人確認書類の提出方法を選択する
- 本人確認書類の提出:アプリでの提出(最短翌営業日で完了)、配達員への提示(1〜2週間程度)、郵送(1週間〜10日程度)の3通りから選べる
- 初期設定:口座開設完了後に届く案内に従って初期設定を行う
必要書類は、マイナンバーカードや運転免許証など、氏名・住所が確認できるものです。手順・所要日数は変更されることがあるため、申し込み前に公式サイトで最新情報を確認してください。
まとめ
- ハッピープログラムは、残高または取引件数でステージが決まり、ATM・他行宛振込の無料回数(最大でATM7回・振込3回)と楽天ポイントの倍率が変わる仕組み。利用には楽天会員リンク登録でのエントリーが必要で、ステージは毎月判定し直される
- マネーブリッジは、楽天証券との無料の口座連携サービス。普通預金の優遇金利(1,000万円以下の部分は年0.48%)と、証券口座への自動入出金が主な機能
- 給与受取や口座振替を集めるほどステージが上がりやすいため、メインバンクとしても使える銀行だと筆者は考えている
- 筆者自身はメイン=住信SBIネット銀行、サブ=楽天銀行という使い分け。無料回数の仕組みはポイ活をしていたころの経験からよいと感じているが、当時はサブ口座でもアドバンストだった。取引が減った現在のステージはベーシックで無料回数は0回だが、動きは楽天カードの引き落としだけなので手数料は払っていない。自動入出金は楽天証券での買付時に資金移動の手間がなく楽。使いやすさは個人的には住信SBIネット銀行のほうが上で、目的別口座が優秀だと感じている
- 副業用の口座としても使っているが、収入の入金はまだなく経費の支払いのみ
- 楽天経済圏の人・楽天証券利用者・まだネットバンクを持っていない人には合うと思う。一方で不必要に口座を作りすぎる必要はなく、普通の人はネットバンク1つで十分というのが筆者の考え
口座をどう分けるかは、家計管理の考え方とも関わります。家計管理は投資の後でいいも合わせて参考にしてください。
免責事項
免責事項:本記事は情報提供を目的としており、特定の金融機関・金融商品の利用を推奨するものではありません。金融商品・サービスの選択にあたっては、ご自身の判断と責任において、各金融機関の公式サイトで最新の規約・条件をご確認ください。記載の情報は執筆時点のものであり、金利・手数料・優遇条件は変更される場合があります。
