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保険は「不要」じゃない|年3,000円の火災保険だけにした理由と必要な保障の見極め方

保険は「不要」じゃない|年3,000円の火災保険だけにした理由と必要な保障の見極め方

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「保険は全部解約していい」「いや、保険は必須」――SNSや書籍では極端な意見が飛び交っています。筆者はそのどちらにも与しません。保険は必要。ただし、自分に必要な保障だけを選ぶ――これが本記事の主張です。

筆者は新卒で就職した際、転送届で立ち寄った郵便局で保険レディに勧められ、月1万円の貯蓄型終身医療保険に加入しました。5年継続したのち、2022年12月に解約。返戻金40万円と毎月浮いた1万円をすべて積立NISA(オルカン)に振り替えました。現在加入しているのは賃貸用の火災保険 年3,000円のみです。

筆者の現状を端的に言うと、2022年6月の107kgから3年半・2026年5月時点で94.50kgまで体重を落とし、新NISA・iDeCoは月5万円×3年積立中、保険料は年3,000円の火災保険1本で運用中。本記事では「全部解約」でも「言われるがまま加入」でもない、中庸の保険設計をファクトベースで解説します。

まず結論:保険は必要・ただし「必要最小限の掛け捨て」

保険議論はしばしば「不要派 vs 必要派」の二項対立に陥りがちですが、これは正しい問いではありません。本来の問いは「自分にとってどのリスクが、家計を破綻させ得るほど大きいか」です。

筆者の整理は次の通りです。

  • 保険は「自身にバッドイベントが起きた時の経済的備え」であり、それ以上でも以下でもない
  • 利益を出そうとして加入する商品ではない(貯蓄型・節税目的の加入はNG
  • 公的保障(健康保険・高額療養費・傷病手当金・遺族年金など)でカバーできる範囲を理解した上で、足りない部分だけ民間保険で補う

つまり「保険=必要悪」ではなく「保険=公的保障の穴埋めツール」と捉え直すと、加入すべき保険は驚くほど少なくなります。

筆者の保険ポートフォリオ:年3,000円の火災保険だけ

参考までに、筆者が現時点で加入している保険を全て開示します。

種類加入有無年間保険料備考
火災保険(賃貸用家財)加入約3,000円賃貸契約に付帯
自動車保険未加入0円車を所有していないため
死亡保険未加入0円扶養家族なし/必要時に掛け捨て定期を検討
医療保険未加入0円公的健保+高額療養費で十分と判断
がん保険未加入0円同上
個人年金保険未加入0円NISA・iDeCoで代替

筆者は乗り物を所有していないため自動車保険は不要、扶養家族もまだいないため死亡保険も加入していません。今後子どもが生まれるなど扶養家族ができた場合は、掛け捨ての定期死亡保険を検討する方針です。貯蓄型・終身保険には二度と加入しないと決めています。

医療保険・がん保険を持たないのは、日本の公的保険制度がそれなりに手厚いからです。健康保険による3割負担に加え、高額療養費制度で月の自己負担額には上限が設定され、会社員であれば傷病手当金が最長1年6か月、給与の約2/3支給される(厚生労働省)。この3点セットで「家計が破綻するレベルの医療費」はかなりの確率で防げる、というのが筆者の判断です。

「不要じゃない」必要な保険の見極め3基準

保険の要不要は、感情ではなく次の3基準で判断するのが筆者流です。

  1. 基準A:起きたら家計が破綻するか
  2. 基準B:起きる確率が一定以上あるか
  3. 基準C:公的保障(健保・遺族年金・労災等)で足りないか

3つすべてYesなら加入を検討、1つでもNoなら基本は不要という整理です。

リスク基準A:破綻基準B:確率基準C:公的で不足判定
大黒柱の死亡(扶養家族あり)YesYes(遺族年金だけでは足りない)加入検討
火災(賃貸の家財・賠償)Yes低だが甚大Yes加入
病気・ケガでの入院No(高額療養費あり)No不要寄り
自動車事故YesYes(自賠責のみでは不足)所有者は必須
死亡(扶養家族なし)NoNo不要

「破綻するかどうか」が最も重要な軸です。月数万円の出費でも痛いですが、家計が「破綻」するわけではないリスクに対して、毎月数千〜数万円の保険料を払い続けるのは合理的ではありません。

失敗談:就職時に郵便局で加入した月1万円の終身医療保険

ここからは筆者の失敗談です。社会人1年目、新生活の準備で転送届を出しに郵便局へ立ち寄った時のことでした。

窓口の隣にいた保険レディに「お時間少しよろしいですか」と声をかけられ、待ち時間ということもあり話を聞き始めました。トークの中心は不安煽りでした。

  • 「お一人暮らし始められたんですよね?病気になったら誰が看るんですか?」
  • 「ご両親も遠方で心配されてますよね」
  • 「若いうちに入っておくのが一番お得なんですよ」

当時、保険・投資・社会保障について筆者の知識はほぼゼロ。「親も安心するなら」程度の気持ちで、月1万円の貯蓄型終身医療保険にサインしてしまいました

その後5年間で実際に受け取った給付金は、コロナで自宅療養した際の10万円のみ。一方、支払った保険料は5年で約60万円。差額50万円は、保険会社の取り分と他の加入者への支払いに回ったわけです。当時の自分が「投資に回せていれば」と思わずにはいられません。知識不足は確実にお金を失います

2022年12月:解約してオルカン購入に振り替えた話

転機は2022年でした。YouTubeで**リベラルアーツ大学(リベ大)**の動画を見始め、家計・保険・投資の基礎を体系的に学びました。

学べば学ぶほど、自分の終身医療保険が「貯蓄でもないし保障でもない中途半端な商品」だと見えてきました。返戻金は元本割れ、保障も公的保険で足りる、利回りはほぼゼロ――。リベ大の主張をそのまま鵜呑みにしたわけではなく、最終的には自分で電卓を叩いて判断し、2022年12月に解約手続きを取りました。

解約前後のキャッシュフローを比較するとこうなります。

項目解約前解約後
月の保険料10,000円0円
年間の保険料120,000円0円
解約返戻金約400,000円(一時金)
振替先積立NISA(全世界株式・オルカン)

年12万円の固定費削減+40万円の投資元本――この2つを同時に手に入れたのが解約のリターンです。3年経った現在、当時のオルカン買付分は含み益を抱えています(市況に依存するため具体的数値は省略)。

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筆者の積立NISA(オルカン)・iDeCoはSBI証券で運用中。三井住友カード積立で0.5〜1.0%還元、手数料無料の代表的ネット証券。保険を見直して浮いた資金の長期運用先として実績豊富。

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なお、解約判断の前提として、生活防衛資金(生活費の半年〜1年分)を現金で確保していたことを補足しておきます。手元現金が薄い状態で保険を切ると、別のリスクが浮上します。詳しい経緯は保険の見直し方|銀行・郵便局の窓口契約を解約して投資に回した話に書いています。

「保険は不幸の宝くじ」と捉える理由

筆者は保険を「不幸の宝くじ」と捉えています。期待値は加入者全体で見ればマイナス側にチューニングされている(保険会社の運営費・利益が乗っている)。にもかかわらず、人が保険を買うのは「外れた時の損害が大きすぎて宝くじを買わざるを得ないリスクがある」からです。

この見方をすると、加入判断の軸はシンプルになります。

  • 当たり(給付)が出ても家計が大して助からない保険 → 期待値マイナスを払う意味がない
  • 外れる前提でも、当たった時の損害が桁違いな保険(賃貸火災・自動車賠償・扶養家族がいる時の死亡) → 期待値マイナスでも買う価値がある

子どもや扶養家族がいる時の死亡保険は、「自分が早期死亡したら家族の生活が崩れる」という致命的な損害を、月数千円の掛け捨て保険料で穴埋めできる典型例です。これは合理的な「宝くじ購入」と言えます。

一方、保険料控除(節税)を目的に貯蓄型保険に入るのは本末転倒です。節税効果より保険会社の取り分の方が大きいケースが多く、控除はあくまでオマケと割り切るべきです。

資産が増えるほど保険は不要に近づく(自家保険)

最後に、長期的な視点を1つ加えます。資産が積み上がるほど、民間保険の必要性は下がる――これを「自家保険」と呼びます。

筆者の目安は次の通りです。

  • 生活防衛資金が生活費の2年分確保できた段階で、医療保険は基本不要
  • 公的年金+資産取り崩しで生活できる目処が立った段階で、終身保険・個人年金は不要
  • 残したい相手がいなければ死亡保険は最初から不要

「いざという時に取り崩せる現金・有価証券」が積み上がるほど、月々の保険料を払って外部の保険会社にリスク移転する必要は薄まります。新NISA・iDeCoで資産形成を進めることは、民間保険を減らすための前提条件でもあるのです。新NISAをこれから始める方は新NISAの始め方完全ガイド|初心者が最初にすべき5ステップ、iDeCoとの使い分けはiDeCoとは?NISAとの違いと賢い使い分け方を参考にしてください。

筆者は3年間で月5万円×36か月=180万円のNISA・iDeCo拠出に加え、保険解約で得た40万円も投資に回しました。「保険料を投資に振り替える」は資産形成の初動として極めて効率の良い動きだと、3年経った今でも感じています。

まとめ

保険を巡る正解は「全部解約」でも「言われるがまま加入」でもなく、中庸にあります。

  • 保険は不要ではない。**起きたら家計が破綻するリスクに対する「不幸の宝くじ」**として必要
  • ただし、利益や貯蓄目的の加入はNG。掛け捨てで必要最小限が原則
  • 筆者の現状:火災保険 年3,000円のみ。医療・がん・死亡は公的保障と現金で代替
  • 加入判断は3基準(破綻するか/確率/公的で足りないか)すべてYesの時だけ
  • 浮いた保険料は新NISA・iDeCoへ。資産が積み上がるほど民間保険は不要に近づく

「全部解約しろ」と煽る情報源も、「絶対に入っておくべき」と勧めてくる窓口も、どちらも一旦距離を取りましょう。自分にとって何が破綻リスクで、公的保障で何がどこまで足りないのかを冷静に確認する――保険の見直しはここからしか始まりません。


免責事項

免責事項:本記事は情報提供を目的としており、特定の保険・投資・金融商品を推奨するものではありません。保険の要否はライフステージ・家族構成・資産状況・職業等により大きく異なります。投資にはリスクが伴い、元本割れの可能性があります。実際の保険見直し・投資判断はご自身の責任のもと、必要に応じて独立系FP等の専門家にご相談の上で行ってください。記載の制度・数値は執筆時点のものです。


参考資料

最終更新日:2026-05-23

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— ゴリラ博士 / Gorilla LABO

ゴリラ博士

ゴリラ博士

Gorilla LABO 運営者 / 健康×資産の研究者

会社員(インフラ関係)。脂肪肝の治療をきっかけに健康と資産形成の重要性に気づき、2025年夏にGorilla LABOを開設。107kg→96kg・3年半・2回のリバウンド経験(糖質制限で尿酸値上昇→医師の痛風警告で食事戻し / カロミル2,800kcal設定で5ヶ月+8kg)を経て、現在は朝昼固定化+体重×1.5〜2gのタンパク質+毎日体重測定で安定運用中。3年前から個人で新NISA・iDeCo月5万円積立。脳科学・行動経済学をベースに「壊れない習慣」を設計・発信。

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